ごあいさつ

女性の身体を整える仕事がしたい

29歳で結婚、翌年長女を出産しました。

お産自体はスムーズで、予定日より10日ほど早く3000gの赤ちゃんでした。

出産を終えた瞬間、
「女性ってすごい!赤ちゃんを産むってすごい!わたしはこの体験を、生涯の仕事に活かさなければいけない!」
と、電流が流れたように悟りました。わたしのやるべきことだと思ってしまったのです。

妊娠中の体重コントロールがうまくいかず、病院での指導にストレスを感じていました。
妊娠後期は異常なむくみも加わり、出産直前には妊娠前からトータル16kg増、
今から思えばドラえもんのような妊婦さんでした。

産後もむくみが解消するまでしばらくかかり、そこから増えた体重を戻すという現実を目の当たりにしました。

でも、尊い経験をしたのち、心に不安が影を落とします。胸に抱いたわが子を見つめ、「この子は成長していって、やがて自分の道を歩いていく。では私は、これからどうやって生きていく?」そんな問いかけが、こだまするようでした。

妊娠中の体重コントロールがうまくいかず、病院での指導にもストレスを感じました。妊娠後期は異常なむくみにもみまわれ、心のバランスもとれない。目の前の育児は待ったなし、自分を責める日々でした。

そんなときに出合った骨盤エクササイズ。心も体も、一緒に整っていくのを感じました。体重だけでなく、体のラインが変わっていく経験が新鮮でした。

同時に眠っていた情熱が目を覚ました瞬間でした。わたしは出産という、「女性の究極」と向き合ったことで「生きる道」を見つけ出したのです。

インストラクターとして、私は出産という経験を一生の仕事にしていこうと決めました。

インストラクターとして活動中、第二子を妊娠し、より具体的な活動を考えるようになりました。教室形式には教室の楽しさや利点がある。でも、悩みや痛みは個人的なもの。

どうしてそう思ったのか。

 

女性の身体を見るようになって感じるのは、「緊張しすぎている」ということでした。常に緊張して、頑張っている状態。でも、当のご本人が、そのストレスや疲れに気づいていないという状況でした。

骨盤はがっちり閉まっていて、たとえ疲れを感じていてお休みしたくても、眠っていても身体は常に緊張状態。緩みたくても緩めない。

頑張っていることを続けざるを得ない、そんな状況かもしれません。

サロンの立ち上げ/ママ育との出合い

もっと個人に寄り添ってケアしたい、私らしくサポートしてあげたい…そんな思いがわき上がってきたころ、「施術」の世界に出合いました。それも、エクササイズでは調整に限界がある「仙骨」という、骨盤の中心に位置する骨だけを調整するものでした。

 

身体の中心を施術で調整し、骨格全体をレクチャーで整えていく、私独自のプログラムが完成し、サロンの主宰を始めました。

サロンを立ち上げても、すぐに行き詰ります。集客のノウハウがない、経営の知識もない…そんな一般的な理由もあったかもしれませんが、決定的な理由は、サロンを通して自分が伝えていきたいことが定まっていなかった。自分の特技や知識を寄せ集めても、私のサロンは未完成でした。

サロンを始めてから、「ママ育」というメソッドと出合いました。ママ育とは、女性の在り方教育。「自分自身が自分を受け入れ、認めていく事」その根本を、ママ育は教えてくれました。そして自分を許し、愛していく事。自分の在り方を知り、それまで辿った道筋を受け入れて、肯定できたのです。

私のここまでの道筋は、自分の生き方を模索するものでした。それは女性としての生き方を探していたとも言えます。

頑張っている女性たちを応援したいという思いが、私がサロンを通して表現していきたいことなのだと、気づきました。

美えな塾認定インストラクターとして

私個人のサロンでの活動に加え、「女性が女性のからだを、もっとよく知る機会が必要だ」と、声を上げ始めた全国の仲間たちと一緒に活動をするようになりました。女性の体について、エクササイズの指導に加え、啓発活動を行うようになりました。

勉強会や情報のシェアを重ねていって見えてきた課題があります。

「女性が女性らしくあることが許されない」

現代の女性は一見、選択肢が増え、社会でもどんどん頭角を現せるように見えます。

「産み、育てること」が役割の中心とされていた時代から、産み育てること「も」できる、むしろしなければならない存在に変わっています。

転じて、「女性らしく生きること」を否定されてはいないだろうか…とも考えられます。

それは、骨盤が語ってくれていることでもあります。若い女性の骨盤が、「男性化」している傾向がみられるのです。

本来女性の体は、思春期を境に丸みを帯びていき、骨盤は横に広がり張り出していきます。十分広がり上から覗くと(実際は覗けませんが)ハート型をしているのが理想です。

男性化とは、現在増えつつあるスリムでお尻も小さく、スタイリッシュな体型。称賛される傾向もありますが、女性が女性であることを手放しつつある危機的状況なのではないでしょうか。

女性らしさとは

女性は基本的に「産む」カラダを持っています。妊娠・出産経験や年齢にかかわらず、産む機能が備わっているのです。

女性の身体はよく、海に例えられます。骨盤は波のように、リズムを刻んでいます。

毎月生理があることや、月の満ち欠けに左右されている、神秘の存在。男性の骨盤よりも、顕著にリズムを表しています。

それは子宮を持っているから。その神秘の子宮を内包する骨盤を、女性はもっと感じてほしいのです。

このリズムを基本に、女性の体調が左右されていると言っても過言ではありません。女性にとって、骨盤が重要視されるゆえんです。
私たち女性が、まず「女性であることを認める」こと。それが「らしさ」の根底だと思うのです。骨盤を意識し、生きる。骨盤を思い、整える。骨盤のリズムに添って生きられることが、本来あるべき姿ではないでしょうか。

偏見ではなく、「産む」選択をしても、「産まない」選択をしても、また「産みたい」のに授からないとしても、それは女性にしか受け止められない経験です。そしてそれが「女性として」「女性らしく」生きるということでもあると思うのです。

骨盤のプロである私からみると、骨盤を整えることは可能性の宝庫です。

先ほど述べた「産みたいのに授からない」ことの要因に、体が過度に緊張していることが挙げられます。それは単に体だけでなく、女性自身が潜在的に「女性である」ことを否定しないと生きていけない側面があると言えるのではないでしょうか。また、「産みたいと思えない」そんな女性も増えています。総じて取り巻くのは「不安」です。産んでも不安、産まなくても不安…。

骨盤をケアすると同時に、女性であることに「許可」を出す…わたしは骨盤のプロとして、女性が体を大切にすることの意味、そしてママ育士として、女性本来の在り方を伝えていくことを通して、女性が「産み育てることの喜び」を素直に味わえる日本にして行きたいと思うのです。

女性の骨盤は、赤ちゃんを授かり、育んでいく神聖な場所。

もっと感じて、生きてみませんか?